お客さまの声
お客様の声 豊田さま(3)
2021年の夏、豊田隼人くんとそのお母さんのさおりさんは、9年間暮らしたフィリピンのセブ島から帰国し沖縄のインターナショナルスクールへ転入されました。
【前回までのお話はこちら → https://oki-ryugaku.com/cat-voice/1328/】
あれからちょうど1年。
お二人のその後について、お話を伺いました。
走り続けた1年間!
沖縄へ移住され、隼人くんの学校生活が始まると、シングルマザーのさおりさんは持っていた資格を活かしてお仕事を始められました。勤務先は病院です。
しかし、沖縄は2022年に入ってすぐに新型コロナウィルス感染症の感染拡大が始まってしまい、さおりさんのお仕事も混乱を極めました。
「すごく大変でした! 同僚の中にも濃厚接触者や子供が感染してしまった方が続出して、人手が足りなくなってしまって。私は午後4時までの勤務という契約なのですが、とてもじゃないけど定時に帰るなんて言えない状況・・・。結局、隼人のお迎えにギリギリ間に合う時間まで残業して、それでも仕事は全然終わらなくて。コロナに翻弄されて、ずっと走っている感じでした!」
隼人くんが通うインターナショナルスクールは、自宅から少し離れた場所にあるため、さおりさんが毎日車で送迎しています。
慣れない環境の中で、お母さんのお迎えを一人で待っていなくてはいけない状況は、隼人くんにとっても不安な毎日だったのでは?と思い、聞いてみると、「それが、それは意外と平気だったみたいで。“今日ちょっとママ遅くなっちゃうかも”と言っても、“ああ、いいよ別に”という感じでした。逆に、早く迎えにいくと怒られるくらいです。」とのこと。
どうやら、隼人くんは順調に学校生活に馴染み、楽しんでいる様子です。
通い始めて感じたインターナショナルスクールの魅力
「去年の担任の先生が、沖縄で生まれ育ってはいるんですが、ご両親がフィリピン人で、フィリピンの言語や文化に親しい方だったんです」
昨年9月、新4年生として転入した隼人くんは、生まれてからのほとんどの時間をフィリピンのセブ島で暮らしてきました。
そんな隼人くんにとって、担任の先生がフィリピンの血筋の方であったことは、隼人くんにとって本当にラッキーだったとさおりさんは思っています。慣れ親しんだ雰囲気を持っている先生だったからこそ、物おじせずにわからないことを聞いたり、相談することができていた様子だったのです。
「実は、その先生のお母様(フィリピン人)も、放課後の親の迎えを待っている間の子供達の見守りをしてくださる学校スタッフさんなのですが、フィリピン人との付き合いに慣れていた私にとっても、とっつきやすいというか、日々のちょっとした疑問や学校行事のことなど気軽に聞けたり、ありがたい存在です。」
現在、隼人くんの通うニューライフアカデミーでは、生徒はほとんどが日本人ですが、先生や学校スタッフには様々な国籍の方がいらっしゃるそうで、隼人くんのような帰国子女の児童にとっては心強い環境です。
転入当初にさおりさんが強く希望されていた、隼人くんの英語力の維持と日本語の習得のバランスという点について様子を伺ってみると、
「それについては全く問題ありません。学校ではほとんどのコミュニケーションが英語で行われていますし、日本語も相変わらず彼のレベルに合わせた授業をしていただいて、少しずつですが漢字もわかるようになってきました。」とのお答えでした。
一方で、ネイティブ並みの英語力をもつ隼人くんにはある変化が現れてきたそうで、「オンラインでお友達と話しているのを聞いていると、セブの友達とはセブ英語(セブ島独特の発音の混じる英語)を使い、アメリカ人の友達とはバリバリのアメリカ英語で話すのに、今のクラスメイトの日本人のお友達とはちょっと日本語混じりの簡単な英語を使うようになっているんです。」
担任の先生には、クラスメイト相手でもレベルを落とさずに話してほしいと言われているそうですが、今の隼人くんにとって大切なのは、お互いにベストなコミュニケーションを取れる方法を選択することなのかもしれません。
さおりさんも少し気にはなるようですが、しばらく様子を見守っていこうと思っています。
「それでも、生徒同士でも学年にこだわらずに仲が良くなるというか、年齢という垣根のないつきあいが生まれていることもあって、それはすごく良いなと思います。」
最近では上級生の男の子とも積極的に連絡先を交換しあい、得意のオンラインゲームでの対戦を楽しんだりしているそうです。
沖縄の暮らしやすさ
隼人くんの通うインターナショナルスクールは、基本的にアメリカのカレンダーに沿って年間スケジュールが決まっており、毎月の祝日や長期休みのタイミングが、日本のものとは全く違います。
そのため、隼人くんがお休みの日でもさおりさんは仕事に行かなくてはいけないということが多々あります。そんな時は、隼人くんは住んでいる家の近くの公立小学校へ通っています。
というのも、日本ではインターナショナルスクールの多くが私立の学校としては認められておらず、「各種学校」という扱いになります。そのため、たとえ日常的にはインターナショナルスクールに通っていても、自宅が校区に指定されている公立小学校にも籍が存在しているのが一般的です。
「その公立校には、基本的には通わなくても隼人の席があって、いつでも行くと笑顔で迎えてくれるんです。学期の初めには毎回新しい教科書もちゃんといただきます。」
沖縄本島には土地柄、多くのインターナショナルスクールがあります。そのため、日本本土の他の地域の公立小学校に比べても、隼人くんのような児童の存在があまり特別視されない傾向があるようです。
「5年生になってからは、公立校の方の担任の先生もタイで暮らしていた経験があって英語でコミュニケーションが取れるという方にしてくださっていたのです。そういうところに、隼人のことを考えてくださっているんだなと、本当にありがたく思いました。」と、さおりさんも感動したと言います。
豊田さん親子にとっては、沖縄のインターナショナルスクールと公立小学校、それぞれとのこういった関係性も、なくてはならないポイントになっています。
「私自身にしてみても、沖縄というのは本当にゆったりとしていて暮らしやすいと思います。他の地域では色々と質問攻めにされてしまうようなこと、例えば、シングルであることや、移住者であることも、今のところ特に気にされたことがなくて、とても楽です。」
沖縄本島は歴史的にも、様々な人々を受け入れ、多種多様な文化が融合することで「チャンプルー文化」とも呼ばれる独自の文化を育んできたと言われています。
今でも様々な個性を尊重して受け入れる扉の広さや柔軟さがあるのは、そういった歴史や風土のおかげかもしれません。
選択肢の広がり
現在の二人の生活パターンを伺うと、
「朝7:20ごろに二人一緒に車で出発して隼人を学校に送り、私はそのまま出勤しています。放課後は学校の預かりサービス(デイケア)に預けて、大体17:00過ぎには迎えに行けています。」
主として通うインターナショナルスクールの同級生は、住んでいる地域も様々なので、隼人くんには近所に住む同世代のお友達があまりいません。また、平日は仕事帰りのさおりさんの迎えがあるまで学校で過ごすので、放課後に友達と遊びに行くということもありません。休日は二人でショッピングモールに行ったりして過ごしているそう。隼人くんに、何か気に入った場所や食べ物はありましたか?と聞いてみると、「かき氷!」と、教えてくれました。
去年まで暮らしていたセブ島で一般的な氷菓というと、「ハロハロ」という、氷の他にアイスクリームやフルーツがトッピングされたものになるそうですが、削った氷にシロップや甘いミルクをかけるだけ、というシンプルな日本のかき氷がとても美味しいと、とても気に入ったそうです。
こうして、とても柔軟に好奇心の広がりを見せている隼人くんを見守りながら、さおりさんには良い意味で想定外だったことが一つあったと言います。
「先日、映画館の前を通ったら、隼人より少し大きいくらいの男の子たちがみんなで映画を観に来ていたみたいで、ポップコーンを買ってわいわい楽しそうにしていたんです。それを見た時にふと、隼人にも同じような、一般的なスクールライフを送らせてあげたいなというような気持ちにもなったりして・・・。」
日本に帰国したことで、思いがけず、隼人くんの将来に関する選択肢が広がったのです。「セブを離れることを決めた時には、正直そんなに先のことまでは考えていなかったんですが、こうして新しい1歩を踏み出したことで、新しい状況も見えてきて、この先どう進んでいくべきかということをたくさん考えるようになりました。」
今のインターナショナルスクールに高校卒業まで通い続け、アメリカの大学へ進学するということもできます。
また、良いタイミングで公立校へ転校してより日本に馴染み、仲間に囲まれた一般的なスクールライフを送るというのも、隼人くんにとっては幸せなことかもしれません。
「帰国当初は頭にあった、コロナが落ち着いたらセブに帰るという選択肢は、もうなくなりつつあります。隼人がそれを言わなくなったので。」
新しい一歩を踏み出したことで、夢も可能性も毎日どんどん広がることを感じているさおりさん。
「ずっと先のことは、今考えても仕方がないと思うので、今はとにかく隼人がやってみたいということをやらせてあげられる状況を作ることを心がけています。」と、隼人くんと共に、充実の毎日を送っていらっしゃいます。
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